表現の先生⑨~mei~
☆エレファントカシマシ、宮本浩次さん
きちんと認識して、曲に出逢った瞬間は、
忘れない体験です。
テレビを何の気なしに見ていたところ、
はた、と止まって聴いてしまったのが、
当時、シングル発売のコマーシャルで流れていた、
「普通の日々」という曲。
声が、聴覚をとびこえて、
心臓に直接届いてくる感覚。
骨太な声とは対象的に、美しくて悲しいメロディ。
"普通の日々よ"という言葉だけで、
なぜ、こんなにも、"いと、おしい"と掻き立てられてしまうのか。
薄暗い劇場の映像とあいまって、
今までに好んで聴いてきた音楽とちがう世界に触れた瞬間でした。
初めて、
個の自分が、個の音楽に向き合った感覚。
そこから遡って探し始めた、
エレファントカシマシという音、宮本浩次さんの声、歌、叫び、語り、言葉。
あまりにも独特な個性でありながら、
なぜこんなに、人が求める激しさや、優しさを歌にすることができるのだろう…
どのような感じ方や捉え方をしているのだろう…
聴いても聴いても、わからないけど、
心臓を鳴らしてくれる音、
知りたくて知りたくて、聴き続けていく、探しつづけていく。
赤羽の地をひとり、ぶらぶら歩いたり。
高校生くらいから、世の中と自分の間にできていた、大きな溝に気づいてからというもの、
自分の存在が疎ましくて、邪魔でしかたなくて、
行き場もなく、干からびていた魂に、水をさしてくれた音楽。
出逢っていなかったら、
いまの自分の歌はあり得なかったです。
~つづく~
◆エレファントカシマシさんの音楽があって、
ライブ会場に行くということを覚えたり、
会場の人が発する熱気と汗で、ずぶ濡れになることを知ったり、
狂ったり、暴れたり、走り回ったり。
そういうことのできる空間の大事さを知ったり。
年代のちがう方とも、親しくさせてもらったり。
まだまだ、その活動の姿勢を、視線を、
追い続けていく自分でありたいと思います。
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